希少 青磁氷裂文盌  二重貫入の米食青磁 木箱 骨董品 直径約17cm 890g トップ

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大変珍しい二重貫入の米食青磁となります。 米色青磁(べいしょくせいじ)は稲穂のような色合いからそう呼ばれます。淡い黄褐色をおびた釉調が美しく、青・緑色に発色する本来の青磁と区別されている場合がほとんどです。 釉薬は青磁と同質、もしくはやや透明性の高い青磁釉が用いられます。青磁釉は植物の灰(または石灰もある)と土石類を調合して作られます。還元焼成することで青・緑色の発色が得られる青磁に対し、米色青磁は酸化焼成で黄褐色に発色します。 ただし酸化状態で焼き続けると、黄色が強くなって淡い黄瀬戸や薄い飴釉のような色合いになります。米色青磁独特の黄褐色に淡い灰色・青色が混ざり合った色彩が損なわれてしまうわけです。 そこで還元状態で焼成したのち、酸素を供給しているケースが多いといえます。還元から酸化へと移行することによって、釉・素地に含まれる微量な鉄分がより深みのある黄褐色に発色します。 【米色青磁の釉調】 屋内照明では黄褐色の色合いが強まり、自然光では青味がかった灰色がより鮮明になります。 手に取るとこの丸みによって両手にすんなり馴染みます。口縁はその形状と釉が流れて薄いため口をつけた感触もほどよいです。 釉調は艶やかでありながらも光をうけて多様な色合いを呈しています。これは青磁釉の中にある目に見えないほどの気泡が、光を乱反射させて複雑な色を見せてくれるのです。 また、細かな貫入が全体に見うけられます。貫入の割目にはうっすらと茶がさしています。この赤茶色のひびが涼やかなうつわの表面に温かみをもたらしています。 【二重貫入】 見込みをみると光をうけた複雑な色調がよくわかります。口縁を見ると薄造りになっていますが、ここは厚くかけた釉が薄くなる箇所なので、全体的に薄く引かれた作品といえます。 ひび状に入った貫入の中には、多角形の輪郭を持った貫入ができています。このように多重的に生じる貫入を二重貫入(にじゅうかんにゅう)といいます。 拡大すると多層的に様々な形の貫入ができていますね。肌の様子もよくわかります。やや黄色みを帯びた褐色、青味を帯びた灰色、ほんのり赤茶色に発色した割目、全体的に小さな黒い斑点がびっしりと見えます。顕微鏡で使う接眼レンズでみれば気泡も見えます。 便宜上「米色青磁は黄褐色!」と言い切っていますが、実際は一言で表現できないほど複雑な色なのです。

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